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パワフルな女性の声:「&ジュリエット」の力強いキャラクターとクリエーターを徹底紹介

ブロードウェイショーの選択肢が拡大し、多様化するにつれて、舞台上でも舞台裏でも、その表現も多様化するはずです。昨今、最も成功している感動的なプロダクションの「ライオンキング」 (ジュリー・テイモア)、「キンバリー・アキンボ」(Jessica Stone) 、「SIX」 (ルーシー・モス)は、女性が率いています。歴史的に男性が支配的だったこの業界において、女性クリエーターやキャラクターの数の増加は、新鮮で必要な変化です。

このブログでは、現代のブロードウェイのスペクタクル、「&ジュリエット」について詳しく見ていきます。このショーは、舞台裏の女性たちの創造的なアプローチによって、女性主導の物語のパワーを見事に示しています。女性たちが自分たちの物語を形作ることで、どのような作品が生み出されるかを示す素晴らしい例です。

「&ジュリエット」は、シェイクスピアの有名な悲劇「ロミオとジュリエット」の結末を書きかえた、陽気で活気あるミュージカルです。このエキサイティングな作品では、シェイクスピアの妻であるアン・ハサウェイが、物語を変えてジュリエットに生きるチャンスを与えることを決意します。彼女はペンを取り、新たな物語を書き始めます。愛のために死ぬジュリエットではなく、自己発見と個人的な成長の旅に出るジュリエットの物語を。

新たな物語は、若い女性が自分自身の選択をし、家族や求婚者、小さな町のコミュニティの影から一歩踏み出すことを中心に描かれます。パリの街の探索から新しい友人との出会いまで、ジュリエットの新しい体験は、ヴェローナの城壁の向こうには広い世界があり、シェイクスピアによって最初に与えられた短くて悲劇的な筋書きの中に閉じこもっていてはいけないということを彼女に教えてくれます。このジュリエットで、私たちはようやく、若い女性が自分の力を発揮し、世界が提供する無限の可能性を受け入れる姿を見ることができるのです。

女性キャストの活躍

そのショーの強さは、才能あふれる女性キャストによってさらに確固たるものとなっています。ローナ・コートニーはトロント公演で、その演技を称賛された後、ジュリエットの役を引き受けます。コートニーは以前に、「Dear Evan Hansen」や「West Side Story」などのショーでその才能を発揮してきました。

ローナは、演じるキャラクターの旅路が自身にどう響くかを語るとき「間違ってもいいし、もう一度立ち上がり再挑戦してもいい」と強調します。この回復する力は、ショー全体を通じて、ジュリエットの成長の核となる部分であり、「自身を愛すること」そして「自身の生命の価値」を理解することを学びます。コートニーのジュリエットの旅についての回顧は、今日の社会で女性が直面する重要な真実を反映しています。「見た目、行動、人間関係」など、女性が完璧を求められる世界では、理想的でないことや古い「自分」を捨てて新しいスタートを切る権利を持つ、という考え方はたびたび脅威として捉えられます。

コートニーのブロードウェイへの個人的な道のりは、それ自体が気概と粘り強さの物語です。「私の人生を通して、何かアイデアがあり、それについて強く思うことがあれば、私はいつもその目標に向かって努力していました。簡単に手に入るリソースはあまりなかったけれど、あるものを使っていたわ」。自分自身を見つけ、夢を追いかけたコートニーの経験は、彼女のジュリエット像に真実味を与えます。

アン・ハサウェイを演じるベッツィー・ウルフもまた、キャストの中で重要な人物です。

「Waitress」や「Falsettos」といった有名な作品での役柄で知られるウルフは、ハサウェイに成熟感と深みをもたらしています。彼女は、現状に挑戦し、自分の物語を書き換えることを恐れない女性を効果的に演じ、メインヒロインの弧を映し出しているのです。

歴史的にシェイクスピアの妻としてしか知られていない「&ジュリエット」のハサウェイは、ジュリエットと同様に、社会的規範や期待によって定義されることを拒む知性と創造性を備えた女性です。ハサウェイのキャラクターは、物語を制御し、文字通りジュリエットの悲劇的な終わりを「教訓」に書き換えます。の物語の転換は、ハサウェイとジュリエットを巧みに並列させます。両女性は、一方はフィクションの中で、もう一方は歴史の中で、規定された役割の枠から解き放たれるのです。

看護師を演じるメラニー・ラ・バリーは、ユーモアと温かみをショーにもたらし、物語に必須のバランスを生み出しています。ラ・バリーは過去にも、「Wicke」や「Les Misérables」で、ニュアンスある魅力的な演技で観客を魅了しています。

 

&ジュリエット」の舞台裏を支える女性たち

パワフルな女性のチームが、ショーの制作と成功に大いに貢献しています。特に4人の女性が、制作の中心的な役割を果たし、各人が独自の才能と視点を発揮しています。

三回のトニー賞受賞歴を持つエグゼクティブプロデューサー、エヴァ・プライスは、ショー全体の方向性の指導と形成に不可欠な存在でした。彼女の豊富な経験(「Jagged Little Pill」「Tina: The Tina Turner Musical」)とブロードウェイ作品に対する深い理解は、作品をブロードウェイの舞台で輝かしいものにするために非常に重要でした。

ショーの振付師であるジェニファー・ウェバーは、このショーでトニー賞最優秀振付賞にノミネートされました。彼女の 2 つのブロードウェイ デビュー作「& Juliet 」と「KPOP」 は 2022 年に 一週​​間未満の間隔で開幕しました。彼女の革新的な振り付けは物語に命を吹き込み、物語に深みと奥行きを与えています。

衣装デザイナーのパロマ・ヤング(「Natasha, Pierre&The Great Comet of 1812」)と舞台美術デザイナーのソウトラ・ギルモア(「Antigone」「 Urinetown: The Musical」)は、ミュージカルの視覚的風景を見事に作り上げました。彼女たちは、若々しさ、楽しさ、ロマンス、ガールパワーの視覚的に素晴らしい世界を創るために、それぞれに天才的な才能を発揮しています。

「&ジュリエット」の力強いメッセージ

このショーがブロードウェイでも際立つ作品である理由を、その「エネルギー、パワフルなパフォーマンス、そして蘇ったナラティブ」で体験して下さい。一人で行くのではなく、娘や妹、女友達と一緒に観て下さい。女性が脇役であるとか、恋の興味の対象としてではなく、「女性が物語の主人公」である作品を是非ご覧下さい。

「&ジュリエット」はただのエンターテイメントではなく、自己発見の一環でもあります。女性が輝く場所と機会を与えられたとき、真に素晴らしいものを創造することをこのショーは見事に示しています。

タグ: & JULIET